作 業 風 景
★ 平成29年5月6日〜9日  ヒラメを取り上げました

 3水槽で種苗生産中のヒラメを1日に1水槽ずつ取り上げ、計数と全長測定を行いました。取り上げた仔魚は同じ大きさの25キロリットル水槽5面に分槽し、収容しきれなかった分は垂水漁港に自主放流しました。

 作業は、元の水槽の水位を落とすことから始まります。時間をかけてゆっくり水量を減らしながら、同時に水槽外の排水溝に仔魚を回収するネットを張り、運搬するバケツに決まった量の海水を入れて準備を進めます。回収ネットに仔魚が溜まってきたらこれをタモ網ですくい、先ほど準備したバケツに入れて重さを測ったあと、新しい水槽へ運びます。1水槽の仔魚の総重量は15キログラム程度でした。途中で何回かサンプルを取って(これはバケツの仔魚では数が多すぎて大変なので、小さなボールで行います)調べた1尾あたりの重量で割ると、尾数は10万尾近くになりました。
 新しい1水槽には全長25ミリメートルの稚魚を3.5万尾ほど収容しました。元の水槽の半分以下ですね。最後の写真6枚は、2枚ずつ、元の水槽・新しい水槽に5千尾ほど入ったところ・移槽完了時のようすです。密度的にはだいぶん楽になりましたが、これでもひと月たつとまた過密になるでしょう。なお今後の飼育は呼び名が中間育成に変わり、魚も仔魚ではなく稚魚と呼ばれるようになります。(作業写真の一部は、昨年のものを使いました)




★ 平成29年 5月5日  シロメバルを中間育成しています

 4月下旬に兵庫県栽培漁業センターからシロメバル稚魚の配付を受け、現在中間育成中です。

 メバルは淡白で上品な白身が特徴の、漁師さんや釣り人にも人気の高い魚種です。兵庫県で試験的に種苗生産していたものが今回うまく育ったため、臨時に配付してもらえることになりました。神戸市立栽培漁業センターに来た後は、3キロリットルの水槽2面で飼育しています。
 現在は、冷凍したプランクトンを水槽につるしたカゴで溶かし、配合飼料を1日に何回も手で撒いて給餌しています。良くエサを食べるようになってはいるのですが、とても目が良く慎重な性質のため、配合を撒く手の少しの動きや音・振動に驚いて、クモの子を散らすように逃げていきます。海の中で生き残るためには大事な性質なのでしょう。
 それにしても大きな目ですね。漢字で「眼張」と書くことがあるのもうなずけます。




★ 平成29年 4月21日  クロアワビとサザエを配付しました

 兵庫県香美町にある但馬栽培漁業センターで飼育されていたクロアワビとサザエを、4月20日に受け取りに行きました。1日置いた今日、神戸市漁業協同組合に配付し、駒ヶ林の港につるしました。

 どちらも巻貝なので(アワビはそうとはちょっと思いにくいですけど…)、中心から外向きにらせん状に成長していきます。人が育てている期間、貝殻のその部分には与えられたエサに応じた色が着きます。例えばアワビは緑色、サザエは銀色っぽい色です。その後放流されて自然の海で成長した部分はふつうのアワビやサザエの色になりますが、その場合でも中心部分の色はそのまま残っているので、その個体が人によって育てられたものと分かります。
 今年は貝をすぐに放流せず、漁師さんが胴丸カゴの中で海藻を与えながらしばらく育成しその後放流するということになり、港内の浮桟橋につるしました。




★ 平成29年 4月17日  マコガレイとヒラメのその後のようすです

 3月27日に兵庫県栽培漁業センターからやってきたマコガレイの稚魚は、毎日エサをよく食べています(マコガレイは暗い夜でもエサを食べることができます)。全長は30ミリメートル以上、来た時の1.5倍になりました。写真の背景のマスは1ミリ角で、顕微鏡では倍率を一番下げても全体が入りきりません。この写真で、マコガレイはもともと体の左にあった目が右側に揃ったことがお分かりいただけるでしょうか。
 4月12日には兵庫県のお父さん(マコガレイの飼育担当者)が飼育状況を見にいらっしゃいました。順調に育っていますと言っていただき、私たちは一安心、稚魚たちも久しぶりに出会ったお父さんに泳ぎ寄り、うれしそうでした(一部創作があります ^^)。
 ヒラメの写真は、日齢24から44にかけての眼球移動のようすです。右眼が徐々に上に移動し、顔の真ん中に達した後は左側に回り込んできます。目が動くだけではなく、目から脳に連絡している神経もあわせてよじれていきますので、体の中で大工事が起こっていることはまちがいありません。それを応援するために飼育者ができるのは、飼育環境を清潔に保つためにていねいに底掃除をし、栄養価の高いエサを過不足なく与えることだけです。
 最後の写真はヒラメのあごに歯が生えてきたところ。将来小魚を食べるために必要な準備が始まっています。ミミズのような生物を食べるマコガレイのやさしいおちょぼ口とはぜんぜん違います。この特徴は、6月に見学にいらっしゃる学校は実際の稚魚で見比べることができます。




★ 平成29年 4月2日  ヒラメを3水槽に分槽しました

 ヒラメの仔魚の全長が10ミリメートルを超え、孵化した時から住んでいる25キロリットル水槽1面では狭くなってきました。また1か月使って水槽の汚れもひどくなってきたため、新しい3水槽に引っ越しました。

 まず水槽の上に分厚い遮光幕をかぶせます。隙間もふさぐと中は真っ暗になります。幕の一部分だけを開いてそこをライトで照らすと、光に集まる習性のある仔魚が少しずつ泳ぎ寄ってきます。隣の新しい3つの水槽まで太いホースでサイホンをかけ、集まった仔魚を飼育水と一緒にゆっくりと送りました。この方法によると、魚を網ですくわずに優しく移槽することができます。
 今年も作業は順調に進み、午前中のうちに仔魚の大部分が受け側のきれいな水槽に移動しました。最後は遮光幕を外し、残っていた少しの仔魚をできるだけボウルですくって人手で移しました。




★平成29年 3月31日  平成29年度の栽培センター見学(小学校対象)のお知らせ

 神戸市立栽培漁業センターでは、小学校での水産業の学習に利用していただくため、見学を受け入れています。平成29年度の見学申し込みの受け付けは4月1日に開始いたします。詳細は「見学のご案内」のページをご覧ください。
 見学は1年を通して可能で曜日にも制限はありませんが、多数の稚魚を見ることができるのは5月から10月くらいの期間です。また防疫上の理由から見学受け入れは1日1校としておりますので、見学候補日が決まりましたら早めに電話でご連絡ください
 写真は展示室のようすと3月31日の飼育魚です。ヒラメは日齢28で全長が10ミリメートルほど、同時に生まれた約30万尾がまだ一つの水槽で飼われています。1月に生まれたマコガレイは3種類のエサを食べながら、ゆっくりと育っています。




★平成29年 3月28日  ヒラメ仔魚の体の変化について

 ヒラメ仔魚飼育の続報です。シオミズツボワムシとアルテミアという2種類の動物プランクトンをよくを食べて、仔魚は日に日に成長を続けています。腸管がリング状になった後、体の前半では頭部に鰭状突起(きじょうとっき)が生え、後半では尾鰭(おびれ)が形成されます。それぞれの成長のようすを5枚ずつの写真でご覧ください。左の列が日齢8から25にかけての鰭状突起の変化、右側が日齢13から25の尾鰭です。
 最後の2枚は今日(日齢25)の記念写真。全長は10ミリメートルくらいになりました。また体高も高くなり始め、ヒラメ特有のうすべったい体つきに向けての変化が始まっています。下でご紹介したマコガレイのような見かけになるのは、まだ1か月ほど先のことです。




★平成29年 3月27日  マコガレイの稚魚を搬入し、中間育成を開始しました

 明石市にある兵庫県栽培漁業センターからマコガレイ稚魚の配付を受けることになり、3月23日に受け取りに行ってきました。兵庫県が生産するいろんな稚魚は県内のあちこちの市町に配付され、そこで中間育成した後で放流されるのですが、このうち神戸市への配布分はすべて神戸市立栽培漁業センターへやってきます。
 今年1月初めに兵庫県栽培漁業センターで生まれた稚魚は全長が20ミリメートルほどになっていました。バケツリレーでトラックの活魚運搬水槽に積み込んだ稚魚は、1時間かけて新しい飼育場所に到着し、屋外の5キロリットル巡流水槽4面に収容されました。
 兵庫栽培での飼育ですでに配合飼料を食べるように慣らされているので、同じような大きさの配合をゼンマイ式の自動給餌器で撒きながら、生きているプランクトン(アルテミア)や冷凍プランクトン(コペポーダ)を与えています。6月ごろには全長が40ミリを超えて、神戸市内の適地に放流できる予定です。




★平成29年 3月16日  ヒラメ仔魚の消化管の変化

 3月8日(日齢5)からシオミズツボワムシを食べ始めた仔魚は、その後も順調に育っています。この時期の体の成長は、消化管(腸管)の形や大きさの変化としてはっきり表れてきます。腸管だけを写した写真を並べますので、そこに注目してみてください。日齢は3・4・5・8・10・11・12です。
 前回3月10日のエントリーでお伝えしたように仔魚は卵黄が小さくなるにつれワムシを食べ始めるのですが、その後腸管は日ごとに太くなり、さらにぐるっと1周円を描くようになります。成魚のヒラメの内臓は狭い場所にコンパクトにまとまっているので、それでも必要な大きさを確保できるようになっているのではないでしょうか。
 顕微鏡で見たり撮ったりするとこのように良く見えますが、水槽の仔魚を肉眼で見ると、うんと近づいても最後の写真のようにしか見えません。仔魚の大きさは全長がまだ6ミリメートルくらいです(撮影は今日、日齢13)。この写真を画面やプリントで見る場合はそのくらいになるようにすると、実際に水槽を眺めている感覚が味わえます。
 これから先の仔魚の成長は、頭部に鰭状突起(きじょうとっき)と呼ばれるトサカ?が伸びたり(でも結局は縮みます)、右目が顔の正中線を横切って左側に移動したり、という形で現れます。なんだか大変そうですね…




★平成29年 3月10日  ヒラメ仔魚がワムシを食べ始めました

 孵化後しばらくはまだ口も直腸も開通していない仔魚ですが、お母さんヒラメからもらった卵黄の栄養を吸収して、日に日に成長していきます。写真は、上から2枚ずつの6枚が、生まれて3日目、4日目、5日目のものです。
 全長は少しずつ大きくなっていますが、それでも200ミリリットルのビーカーに取るとビーカーが巨大な水槽に見えます。両目はまだ一般的な魚のように頭の左右にあります。
 お腹にぶら下げた卵黄は日ごとに小さく形もいびつになり、5日目には油球の周りに少し見えるだけに縮みます。同時に、給餌した動物プランクトンのシオミズツボワムシを食べ始めました。仔魚の近くにもワムシが見えています。
 最後の2枚の写真は、4日目、5日目の仔魚を上から見たもの。この角度からも、5日目にはエサをたくさん食べているのがわかります。お腹いっぱいに入ったエサを見るのは飼育者にとってうれしいことです。




★平成29年 3月2日  平成29年度のヒラメ種苗生産を開始しました

 3月2日にヒラメの受精卵を25キロリットル飼育水槽に収容し、平成29年度のヒラメ種苗生産が始まりました。収容した卵は40万粒です。2日後にこのうちの80%以上が正常に孵化し、全長2ミリメートル少しの仔魚(しぎょ)33.4万尾で飼育を始めました。仔魚とは稚魚になる前の段階を示す呼び名です。これから6月末までの4か月ほど、毎日きれいな飼育環境を維持し、栄養のあるエサを十分に与えて、育てていきます。
 新学期が始まって、小学校の5年生が水産業の校外学習で見学にいらっしゃるのは、早くて5月の半ばごろでしょうか。その時にはもう3センチくらいの大きさになっていると思います。そこに至るまでの成長のようすは、今後更新するホームページの写真でご覧ください。

 まず最初の6枚は、一見何も入っていないように見える水槽の水面に浮かんだ小さな受精卵(直径1ミリ程度)と、万一に備えて余分の卵を丸いネットでもうしばらく管理しているところ。投影機や顕微鏡で観察すると、卵の中で胚胎(はいたい)が発生しているのが見えます。
 続く4枚はその翌日です。棒状だった胚胎の細胞分裂が進み、魚らしい形がわかるようになってきました。このころには卵の中で体をしきりにくねらせるようになります。
 そして最後の2枚は一部の卵が孵化し始めたところ。卵膜が外れると、それまで受精卵の中で丸まっていた体の後半部分がシッポのように伸びるんだなとわかります。このときにはまだ口も直腸も開いていません。




★平成29年 2月24日  冬の作業(その8) ヒラメ種苗生産の準備をしています

 来年度のヒラメ種苗生産開始が近づきました。シオミズツボワムシの培養が順調に進み、ヒラメの良好な受精卵が手に入れば、いつもと同じA-2水槽に卵を収容して種苗生産を始める予定です。おそらく3月の初めになるでしょうか。
 それに備えて、水槽内に卵管理や稚魚飼育の器具を用意し、紫外線殺菌装置の試運転をしました。また水槽いっぱいに海水を満たし、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。飼育棟に塩素の臭いが広がると、いよいよ飼育シーズンが始まるのだなあと実感します(水槽の塩素はハイポで中和してから廃棄します)。
 1学期に見学にいらっしゃる方には、もうすぐ生産が始まる(今はまだ生まれてもいない)この水槽のヒラメを見ていただくことになります。




★平成29年 2月20日  冬の作業(その7) ワムシ培養を開始しました

 来年度のヒラメ種苗生産に使うシオミズツボワムシの培養を始めました。通常は省略してワムシと呼んでいますが、ワムシはいろんな魚類の稚魚に対して孵化後初めてのエサとして使える、動物プランクトンです。
 2月18日に3億個体を宅配便で搬入しました。大きなコンクリート水槽で飼うには量が少ないので、一時的に小さな水槽に収容します。あらかじめ用意していた培養水と温度を合わせてから収容し、その後ワムシのエサとなる植物プランクトンを添加しました。培養水が緑色をしているのはこのクロレラの色です。
 2日間培養して個体数が5億に増えたので、20日に本培養用の10キロリットル水槽に移しました(ただし今日は5キロリットルで使っています)。水槽中でのワムシの密度は1ミリリットルに100個体ですが、ワムシが小さいためちょっと見ただけでは茶色い水にしか見えません。最後の写真は顕微鏡で見たもの。背景の格子の1辺は1ミリメートルです。
 これを今後も増やし続けて30億個体くらいにし、毎日の増加分(これをエサとして使用します。貯金の利子で生活するようなものですね (^^)/ )が安定して6億ほど出るようになったら、エサの準備は完了です。




★平成29年 2月13日  冬の作業(その6) 原水槽の清掃作業を行いました

 取水サイホン管を通って海から汲み上げられた海水は、生海水を溜める貯水槽3つを経て飼育棟まで届きます。今日から3日間でこれらの水槽の清掃を行います。今日はもっとも海側にある取水槽を清掃しました。
 作業前に行っておく飼育関係の準備は2月1日の取水サイホン管清掃のときと同じです(写真は省略)。それが終わるとサイホンを切って取水槽への海水流入を止め、水中ポンプで海水を抜いてから清掃作業に入りました。
 清掃は取水槽の壁面全面と構築物にジェットポンプでていねいに水をかけて行います(業者さんが作業するのでこのようすの写真もありません)。清掃終了の連絡をもらったら、ふたつめの貯水槽から水中ポンプで海水を戻します。サイホン管の出口が水につかった時点で真空ポンプでサイホンをかけ、取水槽に海水を満たしました。取水ポンプの空気抜きを行いポンプを自動運転に戻したら、清掃作業は終了。飼育水槽への給水を復帰させて今日の予定は終了しました。
 明日明後日は取水槽に続く原水槽・原水高架水槽を同じ方法で洗浄します。なお、濾過槽を通った後の濾過海水を溜める貯水槽2槽は、毎年清掃する必要はありません。




★平成29年 2月8日  冬の作業(その5) 濾過(ろか)槽の濾材交換を実施しました

 栽培漁業センターでの飼育には、海から汲み上げたそのままの海水(生海水)ではなく、濾材を通した濾過海水を使います。元の海水に含まれている汚れや微生物を取り除くことで病気の発生を予防できるからです。神戸市立栽培漁業センターでは、砂利や砂を厚さ1メートルほどに重ねた濾材を使っています。
 この濾材の中に1時間に何十トンもの生海水を通して処理していると、濾材には次第に汚れが溜まっていきます。毎日1回、濾材を海水で洗う逆洗という工程を行っていますが、その効果にも限界があるため、3〜4年に一度は濾材を新品に交換する必要があります。今日はその工事が行われました。
 工事中の2日間は濾過海水の供給が止まるため、飼育魚への給水は前もって、他の水槽からホースで引いた生海水(管の表記は原水)に換えておきました。見学者に見てもらう展示水槽の魚たちも移動しておきます。
 施工当日はまず最初に、濾過槽内に入っても安全かを確認するため有毒ガスの測定を行い、濾材の表面にいたナマコ(これは来年度から始めるマナマコの試験生産に使います)を採集しました。その後、サクション車で古い濾材を抜き取りダンプで搬出する、濾過槽の内部を洗う、ベルトコンベアを使って3種の大きさの濾材(砂利)を充填しそれを人力で平らにする、濾材(砂)に水を混ぜてポンプで送り込む、と作業が進みました。
 濾過槽内が元どおりになって蓋を閉めたのは夜7時過ぎ。今日の作業はここまでにして、新しい濾材の洗浄と試運転等は明日実施することにします。




★平成29年 2月1日  冬の作業(その4) 取水サイホン管の清掃を実施しました

 取水系統の最初(一番海側)にある取水サイホン管の清掃を行いました。サイホン管は内径が35センチの特殊な鋼管製で2本あります。1日目の今日は西側を清掃しました。
 清掃作業中は飼育水槽への海水給水を止めるため、前もって水槽の水位を上げて水温低下や酸素欠乏に対処します。また給水再開に備えて貯水槽を満水にしておきました。
 サイホン管の清掃は、ピグと呼ばれるスポンジ製のタマを管の端に取り付けたランチャーに装填し、その後ろからポンプで水圧をかけて少しずつ押し進める方法で行います。70メートルの管内をピグはゆっくり進み、内側に付着した貝やフジツボをこそぎ落とします。海中ではダイバーが取水先端に生えた海藻などを掃除しながらピグの排出を待ち受けます。今年もピグは順調に進み、5分ほどで海面に浮かびあがりました。硬軟2種のピグを使ってサイホン管1本につき2度の清掃を行いました。明日は東側の管の清掃を実施する予定です。




★平成29年 1月28日  冬の作業(その3) 自給タンクを清掃しました

 3台ある原水ポンプの吸入側に自給タンクが1基ずつあります。写真のようにとても大きなFRP製のタンクです。この中を負圧に保っておくことで、原水ポンプが停止しているときにも配管の海水がひとつ手前の貯水槽へ戻っていかないようにすることができます。
 タンクを常圧に戻した後で点検用の丸窓を開けて中に入り、1年間の汚れをこすり落としました。同時に丸窓も洗い、負圧を制御するための電極棒を交換しました。
 原水ポンプや真空ポンプなど、栽培センターの機械設備は毎年のメンテナンスで部品を交換していきます。そのため数年もすると見かけは同じでも内容は一新されていることがありますが、自給タンクは栽培センターができてからずっと使っている30年モノです。破損につながるような亀裂や異常は見られなかったので、次の冬までの1年間、また働いてくれることでしょう。




★平成29年 1月25日  冬の作業(その2) フロートスイッチの交換工事を実施しました

 栽培センターで飼育に使っている海水は前の海から汲み上げているのですが、ポンプで高架棟の貯水槽にいったん溜めておき重力落下で飼育棟まで送水する方法をとっています。貯水槽には、飼育の使用水量が多くても少なくても大体同じくらいの海水が溜まっているようにしておきます。そのために貯水槽の中に水位を測るフロートスイッチを何個か下げておき、水位が減ってくれば、その貯水槽の手前(海側)にあるポンプを自動で運転させて水位を回復させます。
 このフロートスイッチが働かなくなったり誤動作を起こしたりすると即座に飼育魚に影響が及ぶので、そうなる前に定期的に交換します。作業は専門の業者さんに委託して実施しました。
 今回フロートスイッチを交換した貯水槽はみっつ、地面を掘りこんだところに1槽と高架棟の神戸市マークがあるあたりに2槽です。高架棟は高さが20mあるので、そのほぼ頂上で電気配線をするのはそうとう危険な作業です。眺めはいいのですが。
 交換作業は順調に進み、1日で終わりました。これであと2年ほどは飼育水が安定して供給されると思います。




★平成29年 1月23日  冬の作業(その1) 設備のメンテナンスを始めました

 今年に入って2度目の寒波がやってきました。冬は寒くあるべきなのでしょうが、水仕事には厳しい季節です。。。
 栽培漁業センターでは仕事の内容が冬仕様に変わってきて、飼育作業としてはヒラメとオニオコゼ親魚への給餌があるくらいです。では何をしているかと言うと、その年の飼育結果をまとめ報告書を書く・会議へ出席し他の機関の人と情報交換する・先進地の視察・新しい生産魚種の検討・施設や設備のメンテナンス(自分たちでしたり、業者さんに委託したり)・来年度の飼育に必要な器具の修理や作製・来年度予算の作成、といったようなことです。その中から今回は、設備のメンテナンスのようすを写真でご紹介しましょう。
 作業は上から順番に、水槽の橋の錆落としと塗装・外れたエア配管や水道の固定・フローセル(流量計)の分解洗浄です。




★ 11月13日  「トライやるウイーク」を受け入れました

 先週の1週間、神戸市内の4校から中学生が社会体験に来て、一緒に飼育作業をしました。
 写真は木曜日に来た学校の3名です。小学校の見学用にまだおいているヒラメの移槽とその後の水槽洗い、オニオコゼ親魚へのアジ給餌などをしました。前日にあらかじめ底をこすっていても水槽は滑りやすく、足元に注意していると頭を打ちそうになるし、水槽洗いも家の風呂よりはるかに大きく、慣れない人にはくたびれたと思います。でも最後までまじめに作業してくれました。
 栽培漁業センターらしい、しかも初めてでもできる仕事を毎日用意できればいいのですが、なかなかそうはいきません。時には1日中アサリのカゴ洗いだけとか、草抜きで時間を合わせるとか(それも必要な仕事なのですが)いうこともあります。そんな中で、今年も4校の生徒はがんばってくれました。
 最後の写真は別の中学生が貼っていったポスターです。栽培センターの玄関を飾るのは1年に2度、お正月のしめ飾りと秋のポスター。これを見ると、いよいよ飼育作業も終わりかけて、書類仕事と設備メンテナンスの冬が来るんだと感じます。




★ 11月10日  小学校の見学風景です

 今年も水産業に関する校外学習として、多くの小学校から見学に来ていただきました。ほとんどが産業について習う5年生です。
 1学期に見学した方にはたくさんの水槽にいっぱいのヒラメの稚魚や屋外水槽のマコガレイを、2学期に来られた方には小さなネットにすし詰め状態のオニオコゼの稚魚を見てもらいます。7月の中旬以降に運よくいらっしゃった場合には、小さなクルマエビが水槽にびっしり入って泳いでいる姿が見られます。
 11月の現在は事業としての稚魚放流はすべて終了し、見学者用にヒラメとオニオコゼを少し残すだけとなりました。それも下旬にある1校が終わると自主放流します。
 飼育している現場に飼育者以外の人が入ることは、稚魚にとっての安全面ではあまり勧められることではありません。疾病の危険性がどうしても高くなるからです。多くの栽培漁業センターではふつう大がかりな見学は受け入れていませんし、大切な時期にはその魚種の飼育担当者しか水槽に近寄らないと決めていることもあります。一方で、見学後の質問コーナーで出てくる小学生のさまざまな意見を聞いていると、不思議に力が湧いてくることもよくあります。彼らから元気を分けてもらっているのでしょうか。それが飼育結果に反映することはきっとあるでしょう。どうぞ来年も多数見学にお越しください(胸鰭の模様が見ごろのオニオコゼより)。




★ 9月21日  キジハタの受け取りおよび放流を行いました

 日本海側にある兵庫県但馬栽培漁業センターまでキジハタの稚魚を受け取りに行き、その日のうちに漁師さんに渡して放流してもらいました。
 キジハタは関西ではアコウとも呼ばれている非常においしい魚ですが、数がきわめて少ないため漁業者からの放流希望が大きく、栽培漁業にとってはとても大切な魚種です。ただ現在の飼育技術では、飼育の初期に原因不明の大量斃死が起きることがあり、毎年安定して多数を生産するのがむずかしい魚でもあります。
 21日の朝6時前に1キロリットルの活魚運搬タンクを積んだトラックで神戸を出発し、10時に但馬栽培センターの水槽からタンクへ稚魚をフィッシュポンプで積み込むととんぼ返りして、午後3時には神戸の海に放すことができました。少しのストレスでもすぐに弱る魚だと職員も漁師さんもみんな知っているため、稚魚をすくったりバケツリレーする時にはできるだけていねいに、しかもすばやく作業しました。




★ 8月29日・30日  アサリの第1回放流およびクルマエビの第1回・第2回放流を行いました

 5月19日に種苗生産を始めたアサリが殻長(かくちょう)1ミリメートルを超えたので、約半分を兵庫漁業協同組合に配付し放流しました。また7月29日から中間育成しているクルマエビの体長が40ミリを超えたため、兵庫漁業協同組合と神戸市漁業協同組合に配付し、放流しました。
 迷走している台風10号の進路予想が難しくいったんは来週への延期を考えましたが、強風の合間を縫って何とか予定通りの日に海へ放すことができました。29日の兵庫漁協は、トラックで運んで行ったアサリとクルマエビをバケツに移して運河に撒きました。どちらも生息に適した砂地にすぐ身を潜めました。
 30日の神戸市漁協放流分は、取り上げから海に放流するまでの流れが写真でご覧になれます。水槽から取り上げたクルマエビをトラックの運搬水槽に積み込み、漁港で船に積み替えて神戸港入口まで搬送しました。台風の強風は残っているものの、空は爽やかな青空に戻っていました。




★ 8月24日  オニオコゼの第1回放流を行いました

 中間育成しているオニオコゼのうち成長の速いものが全長40ミリメートルを超えたので、そのサイズだけを選別して漁業協同組合に配付し、放流してもらいました。
 オニオコゼの酸素欠乏に対する心配はマダイほどではないのですが、それでも例年よりずっと厳しい猛暑の中、輸送中の稚魚の活力低下は最大の気がかりです。今回は船着き場を出発してすぐに、船を走らせながら放流を行いました。稚魚たちはみんな、オレンジ色の胸鰭(むなびれ)をゆらめかせながら海底へと沈んで行きました。




★ 8月20日  栽培漁業センター見学会を開催しました

 栽培センターの見学は通常は小学校の校外学習の場合だけお受けしているのですが、年に1度、一般の方を対象にした見学会を開催しています。今年は8月20日に実施しました。
 今年は応募された方が多かったのですが、抽選で人数を減らすことはやめて、二つの班に分かれて見学していただきました。片方はまず最初に栽培漁業についての案内ビデオを見て、その内容についていろいろ質問しました。もう一方は飼育棟で現在飼育しているクルマエビ・ヒラメ・オニオコゼの水槽やすでに放流が終わったマコガレイやサザエの展示魚を見学し、またヒラメの稚魚に配合飼料を与えてみました。両方が入れ替わって体験をした後、みんなで海づり公園の釣台に移動し、ひとりひとりがヒラメの稚魚を放流しました。この時にヒラメの大きな親魚2尾も放流しました。
 体験の途中にも熱心な質問をいただき、職員にとってももっとがんばろうと思えた1日になりました。例年以上に暑い中、大勢ご参加くださいまして、本当にありがとうございました。
 当日のようすを写真でご覧ください。




★ 8月10日  マダイの第1回放流を行いました

 マリンピア神戸・海洋牧場のイケスで中間育成中のマダイ稚魚の一部を放流しました。
 7月7日の搬入時に全長が25ミリメートルだった稚魚は、1か月の飼育で3倍近くの70ミリにまで成長しました。自動給餌器や手撒きで配合飼料を与えると、そこへ稚魚同士がくっつかんばかりに集団で押し寄せて、元気に摂餌します(手前に見える緑色のラインは鳥除けのネットです)。
 イケスの稚魚をバケツリレーで活魚運搬車に積み込むと、氷で水温上昇を防ぎ、ブロアポンプと酸素ボンベで酸素を供給しながら、漁師さんの待つ漁港へ急ぎました。マダイの放流は、1度に車や船に積み込める量を考え合わせながら、あと数回実施する予定です。
 飼育に使ったイケス網は栽培センターまで持ち帰ってジェット水流で洗浄します。この網の目合いも、最初の1辺が約3ミリから、4ミリ、5ミリと変えていき、現在は約6ミリの網で飼育しています。




★ 7月29日  クルマエビの中間育成を始めました

 ひょうご豊かな海づくり協会の淡路事業場から、全長14ミリメートルのクルマエビの稚エビを搬入し、屋内の25キロリットル円形水槽2面で中間育成を始めました。
 一般に生まれた時のエビ類はおとなとまったく違った形をしており、プランクトンとして浮遊生活を送ります。しかし今日届いたクルマエビは小さいとはいえもうしっかりエビの形になっており、水槽に放すと遊泳脚(ゆうえいきゃく)を忙しく動かして泳ぎ始めました。放流時期はマダイと同じで8月下旬ごろを予定しています。そのころには全長は50ミリ程度になります。
 6枚目の写真は昨年の同時期に中間育成をしたクルマエビです。見学者への展示用に少し残して飼育しているものですが、今では20センチメートルくらいに育ち、クルマエビの特徴である縞模様や尾鰭(おびれ)先端の青いラインもくっきりと現れています。




★ 7月26日  オニオコゼを種苗生産中です(その2)

 オニオコゼが生まれて1か月を過ぎ、着底を終えたので、すべて取り上げて網イケスに移しました。
 全長は15ミリメートルほどになりました。胸鰭(むなびれ)の内側にはオレンジ色の網目模様が現れ、泳ぐたびにそれがチラチラと見えてきれいです。次の水槽替えの時に全数計数して、種苗生産の尾数とするつもりです。その後2か月ほど飼育すると、放流サイズの40〜50ミリになるはず。
 飼育棟の外ではスイカが育っています。こちらの成長はオニオコゼより速く、見ているとなごみます。現実逃避…?




★ 7月16日  アジュール舞子でヒラメの稚魚を放流しました

 アジュール舞子の海開きイベントのひとつとして、ヒラメの稚魚の放流をしてもらいました。
 漁業協同組合に対するヒラメの配付放流はもう終わったのですが、あちこちのイベント放流に使ってもらえるよう、まだ1水槽分のヒラメを飼育しています。この中から、この夏の最初のイベントであるアジュール舞子の海開きに、1,000尾のヒラメを持って出向きました。ほどよい好天のもと、おとなこども合わせて集まってくれた大勢の方に、10センチに育ったヒラメを砂浜から放流していただきました。
 ヒラメ(ひょっとするとマダイも)のイベント放流は、夏休みの8月末まで、海づり公園やさかなの学校や神戸市漁業協同組合主催で何度も行われます。お出かけ時に行き合わせた方は、どうぞふるってご参加ください。




★ 7月7日  マダイの中間育成を開始しました

 今日、全長25ミリメートルのマダイ稚魚をマリンピア神戸にある海洋牧場のイケス2面に搬入しました。これは明石市にある兵庫県の栽培漁業センターで5月24日に孵化し、種苗生産されていたものです。8月下旬〜9月上旬まで海洋牧場で中間育成し、全長が50〜80ミリメートルに育ったら放流する予定です。
 搬入作業のようすをご覧ください。1キロリットルの活魚運搬タンク3基で約1時間かけて運んできました。タンクの水温を現地の海水温に合わせた後、バケツリレーでイケスにそっと流し込みました。マダイの飼育時期は1年のうちでも水温が高いため、搬入や放流時の酸素欠乏や飼育中の病気・活力低下にはとても気を使います。一方でエサをよく食べる時期でもあり、成長が速く気持ちのいい飼育が楽しめます。
 いつも屋内の暗がりで作業している職員にとっては、「日の当たる仕事」でもあります。




★ 6月14日  オニオコゼを種苗生産中です

 ヒラメの生産が順調に進み飼育の作業量がピークを過ぎたので、オニオコゼの生産を開始しました。
 5月15日に145尾のオニオコゼ親魚を採卵用の水槽に移槽しました。同時に採卵槽と仔魚飼育水槽や飼育器具を消毒し、産卵に備えます。水温の上昇に伴って産卵行動が始まり、少しずつ受精卵が得られるようになってきました。卵質を見極めながら、6月7日から12日にかけて生まれた卵を1回次・2回次として収容し、今年度の種苗生産が始まりました。
 ここまでの流れを写真でご覧ください。オニオコゼの成長はヒラメよりやや遅く、これから3か月〜5か月かけて飼育した後、放流することになります。




★ 5月24日  ヒラメの配付放流が始まりました

 中間育成しているヒラメが放流サイズに育ったので、これから毎週1回ずつ、6週にわたって漁師さんに放流してもらうことになりました。
 5月24日、31日と6月7日で神戸市内の漁協3地区に配付したようすを紹介します。毎回の放流量は25キロリットルの飼育水槽1面分で同じなのですが、稚魚は毎日成長するので、その重さは1回目23キログラム、2回目37キロ、3回目55キロとどんどん増えていきます。下のマコガレイ放流と同じように、放流の前日に取り上げと計数を行った稚魚を放流当日に活魚運搬トラックに積んで漁港に運びます。ここで待ち構えている漁師さんと漁船に積み替え、船で10分ほど走って適地に放流しました。
 最終回の6月21日の放流は報道機関の人が乗れる船を用意してもらうことになっています。大勢が取材にきてくれるでしょうか。




★ 5月11日  マコガレイの第1回配付放流を行いました

 中間育成中のマコガレイの全長が40ミリメートル近くになったので、漁業協同組合に配付し漁師さんに放流してもらいました
 今回は4水槽で飼育している稚魚のうち1水槽分です。放流の前日に飼育水槽から取り上げ1尾ずつ計数した後、飼育棟内の網イケスに収容しておきます。放流当日にこの網イケスを吊り上げて稚魚をすくい、バケツリレーで活魚運搬トラックに移します。漁港まで運ぶと手早く漁船に積み替えて、神戸市沿岸の稚魚が住みやすい場所にタモ網で放流しました。
 マコガレイの放流は、6月上旬まであと3回、配付する地域を変えて実施します。それに重なるようにヒラメの放流も始まりますので、漁師さんにとってこれからの季節は、本業の合間に稚魚の放流も行う忙しい時期になります。