作 業 風 景
★ 令和3年 11月12日・12月10日  マナマコを放流しました

 マナマコは、4月頃に生産を始めます。

東須磨(11月12日)



兵庫(12月10日)桟橋の横から海へ




★ 令和3年 11月4日  アサリを放流しました

 7月14日にアサリの採卵をしました。11月になり放流をしました。

須磨浦(11月4日)



★ 令和3年 8月27日  キジハタを放流しました

 8月23日に兵庫県但馬栽培漁業センターよりキジハタ稚魚の搬入を行い、8月27日に放流をしました。

須磨浦(8月27日)



★ 令和3年 7月27日〜8月31日  マダイを放流しました

 6月30日に兵庫県栽培漁業センターよりマダイ稚魚の搬入があり、中間育成を行いました。7月下旬になり、放流が始まります。全長は50ミリメートルを超えています。

西垂水・舞子(7月27日)



兵庫(7月29日)



須磨浦(8月3日)



東垂水(8月6日)



塩屋(8月19日)



駒ヶ林(8月20日)



西垂水・舞子(8月31日)



★ 令和3年 7月20日  クルマエビを放流しました

 兵庫県栽培漁業センターの淡路事業場より6月18日に搬入して中間育成を始めました。放流サイズは約36ミリメートルです。

駒ヶ林



★ 令和3年 7月6日  カサゴを放流しました

 生産が2月20日に始まり、7月に放流します。全長は約60ミリメートルです。

東垂水(7月6日)



★ 令和3年 5月25日〜6月26日  ヒラメを放流しました

 生産が2月24日に始まり、5月末頃、放流が始まります。全長は50ミリメートルを超えています。

東垂水(5月25日)



西垂水・舞子(6月1日)



兵庫(6月4日)



駒ヶ林(6月8日)



東須磨(6月15日)



須磨浦(6月22日)



塩屋(6月26日)




★ 令和3年 6月29日  メバルを放流しました

 全長は約60ミリメートルです。

東須磨(6月29日)



★ 令和3年 5月14日・18日  マコガレイを放流しました

 3月に中間育成を始めるマコガレイの放流は、毎年、全長が40ミリメートルを超える5月ごろに行なっています。

兵庫(5月14日)



塩屋(5月18日)




★ 令和3年 4月15日  クロアワビを放流しました

 兵庫県栽培漁業センターの但馬事業場で生産されたクロアワビの稚貝を4月14日に受け取りに行き、15日に放流をしました。

東須磨


★ 令和3年 3月26日  ヒラメを3水槽に分槽しました

 ヒラメの仔魚が生まれたときの3倍ほどの大きさに育って、全長が10ミリメートルを超えました。飼育している25キロリットル水槽1面では手狭になり、またこれまで1か月間の使用で水槽が汚れてきたため、新しい3水槽に引っ越しました。

 準備はこのようにします。
 元の飼育水槽の上に大きな遮光幕をかぶせます。分厚い幕なので光はほとんど通りません。階段や給水部分の隙間も塞ぐと、中は真っ暗になります。幕の一部分だけを開いて、そこから新しい水槽まで太いホースでサイホンをかけ、ゆっくり飼育水が移動するように水槽に水位差をつけます。ここで幕の隙間をライトで照らすと、水槽のその一角だけが明るい状態になります。


 幕の内側に潜って光源側を覗くとこんな感じですね。しばらくすると、光に集まる習性のある仔魚が少しずつ泳ぎ寄ってきて、3本のサイホンホースを通り新しい3つの水槽まで流れていきます。エサのアルテミアも光に集まりますのでそれを利用したり、給水の強さや方向を調節したりしながら、集まった仔魚を飼育水と一緒にゆっくりと送りました。この方法によると、魚を網ですくわずに優しく移槽することができます。


 3時間ほど経って分槽後の水槽に仔魚が増えてきたら、遮光幕を外して観察します。今年は元水槽に仔魚がほとんど残らないくらいにうまく移動させることができました。元水槽の底には1か月分の汚れが溜まっていて、上で載せた新しい水槽の写真と比べると歴然とした差があります。仔魚の収容密度もずいぶんゆったりしました。


 これからはエサとして配合餌料を与え始めるので、プランクトンだけ与えていた時以上に水槽が汚れます。そのため水槽の底掃除が毎日の大切な作業となります。


★ 令和3年 3月23日  マコガレイの中間育成を開始しました

 明石市にある兵庫県栽培漁業センターからマコガレイの稚魚を搬入し、中間育成を始めました。

 栽培漁業センターで生まれた魚のあかちゃんは、きれいな水質環境の中で栄養豊富なエサを食べながら、自然の海で独り立ちできる大きさまで育てられます。魚種によって違いはありますが、海に出てゆくまでの飼育期間は、生まれてからだいたい3か月〜4か月くらいです。

 この期間のうち、魚がとても弱くまたエサも培養がむずかしい動物プランクトンなどを与えている前半の部分を、種苗生産と呼んでいます。それに続く、冷凍したプランクトンや配合飼料を食べてどんどん成長する時期の飼育が、中間育成です。

 兵庫県の栽培漁業センターでは、毎年たくさんの種類の魚介類を種苗生産しています。ある程度育った稚魚は県内の中間育成施設に届けられ、そこで飼育の後半を担当します(兵庫県のセンター自体でも中間育成をしています)。神戸市立栽培漁業センターに搬入されたマコガレイは、6月まで飼育したあと神戸市内の漁業協同組合の漁師さんに渡して、マコガレイが生きていくのに適した海域に放流してもらいます。

 実は下の1月18日の記事にあるように、今年は神戸市の栽培センターでもマコガレイの種苗生産を始めています。しかし試験生産の1年目であるため、大事をとって今後も当分の間は、兵庫県からの稚魚の配付も受けようと思っています。

 マコガレイ搬入時のようすを写真でご覧ください。トラックで1時間かけて運んだ稚魚は全長が20ミリメートルくらいで、このサイズで海に放しても独力で生きていくのは厳しいだろうなと感じる大きさです。それでも、体は平たく、目は体の片側にふたつ並んでついていて、立派にカレイの形をしています。




★ 令和3年 2月25日  令和3年度の栽培センター見学(小学校対象)のご案内

 神戸市立栽培漁業センターでは、小学校での水産業の学習に利用していただくため、見学を受け入れています。令和3年度の見学の申し込みは、4月1日から受け付けます。詳細は「見学のご案内」のページをご覧ください。
 見学は4月から10月までの期間で、多数の稚魚を見ることができるのは5月から9月くらいになります。また防疫上の理由から見学受け入れは1日1校としておりますので、見学候補日が決まりましたら早めに電話でご連絡ください。
 写真は展示室のようすと昨年の生産魚。放流間近のマコガレイ、マダイ、クルマエビ、メバルです。





★ 令和3年 2月24日  ヒラメの種苗生産を始めました

 ヒラメの事業生産が2月24日に始まりました。
 神戸市立栽培漁業センターでは、1988年(昭和63年)の春から種苗生産事業を行なっています。この時に飼育を始めた魚種がヒラメです。それから毎年欠かさず生産を続けて、今年で34回目となりました。

 ヒラメの飼育は、親魚が産んだ卵を計数し、必要な数だけ飼育水槽へ収容することから始まります。私たちは、25キロリットルの円形水槽を使っています。ここに40万粒から50万粒程度の受精卵を収容するのですが、卵の直径は1ミリメートルくらいなので、水面に浮いた卵は肉眼ではなかなか見にくいものです。


 しかし顕微鏡で観察すると、卵の中にもうすぐ魚体となる部分がしっかり見えてきます。そしてそれが1〜2日で孵化して、全長3ミリメートルほどの仔魚(しぎょ)となります。ただしこの時点ではまだ口は開いておらず、あとに続く腸管や肛門も閉じたままです。


 次の写真は、日齢5と日齢14のようすです。5日目には口も腸管も開通しました。腸管の中にはエサとして食べたプランクトン「シオミズツボワムシ」が数個体、緑色に写っています。そして14日目には、腸管はすっかり太く、しかもぐるっと1周するくらいに成長して、ワムシの数は数十個体くらいになっています。


 そして日齢17。食べる量はさらに増えました。エサのプランクトンも「アルテミア」と2種類になり、それぞれを食べた後では腸管の色が違って見えます。ヒラメは産まれて1か月ほどは体が透き通っているため、与えるエサの量の管理がしやすく、助かります。


 最後の写真は日齢19です。仔魚をビーカーですくって横から懐中電灯で照らしています。大きさは9ミリメートルくらいになり、最初の受精卵の時と比べるとずいぶん見やすくなりました。
 放流できるサイズの全長50ミリメートル以上に育つまで、これから3か月ほど飼育を続けます。このまま無事に育っていってくれますように!


★ 令和3年 2月20日  カサゴの種苗生産を始めました

 2月20日に1回次、3月2日に2回次の種苗生産を始めました。いずれも5キロリットルの角形コンクリート水槽を使っています。


 カサゴは雄と雌の親魚が交尾し、できた受精卵が雌の体内で孵化して魚の形で産まれてくる、卵胎生(らんたいせい)魚です。そのためカサゴの種苗生産は、お腹が大きくなった雌の親魚を飼育水槽に入れて仔魚を産んでもらうことで始まります。
 まず、よさそうな親魚を数尾選んで水槽から取り出し、淡水浴をして寄生虫や細菌などをできるだけ減らします。それから種苗生産水槽のカゴに入れ、毎日少しずつ飼育水温を上げながら産仔(さんし)を待ちます。そして首尾よく仔魚が産まれたら親魚を取り出す、という方法になります。こんな感じですね。


 産まれた仔魚の全長は4ミリメートルほどです。卵で産まれる魚と違って、カサゴの仔魚は母親の体内から出た時にはもう卵黄の栄養を使い切っています。それで産まれた翌日にはもうエサのプランクトン(シオミズツボワムシ)を食べ始めます。
 写真は上の2枚が産まれた日、次の2枚がその翌日です。2日目(日齢2)には腸管にいっぱいのエサが緑色に写っています。


 次の2枚は日齢13のようす。どの魚もお腹はエサで満タンです。よく見ると、腸管の前方上寄りにもう鰾(うきぶくろ)ができ、くりっと銀色に光っています。なお、上の4枚の写真でお腹の中に見える丸いものは、鰾ではなく、卵や仔魚を浮かせるための油球(ゆきゅう)です。


 そしてこの2枚は日齢25。頭部にはカサゴらしい棘(きょく)ができました。尾鰭(おびれ)もまだ透明ですが、それらしい形になってきています。


 カサゴの試験生産は今年で4年目です。少しでも上手に飼育して昨年よりたくさんの稚魚を作り、今後の事業生産につないでいければ、と思っています。


★ 令和3年 1月18日  マコガレイの種苗生産を始めました

 神戸市立栽培漁業センターでは、令和3年度の新魚種としてマコガレイの試験生産を行ないます。マコガレイは漁業者から放流の要望が高い魚種で、神戸市栽培では毎年、兵庫県の栽培センターから仔魚の配付を受けて中間育成と放流を行なっています。これを自前で種苗生産からできるよう、飼育試験を行なうことにしました。

 マコガレイによく似たヒラメの種苗生産は、もう35年ほど続けています。しかし飼育方法は見た目ほど似ていません。
 最初の採卵の仕方からぜんぜん違っています。ヒラメが採卵水槽内で自分たちで産卵・放精し受精卵を作ってくれるのに対し、マコガレイはメスとオスそれぞれのお腹から人手でしぼり出します。これを水鳥の羽で混ぜ合わせ、数を数えた後、卵管理水槽に収容しました。


 卵自体もヒラメの卵と異なります。ヒラメの場合はばらばらになって水面に浮くタイプの分離浮性卵(ぶんりふせいらん)ですが、マコガレイは粘着沈性卵(ねんちゃくちんせいらん)です。メダカの卵といっしょですね。卵の周りの粘っこい糸状のもので互いにくっついているので、この時期には数を数えることができません。
 また孵化するまでに10日くらいかかります。


 孵化して仔魚になると、大きなバケツに入れて優しく撹拌(かくはん)し、その一部を数えることで全体の仔魚数を推定することができます。そのようにして、目的の数を飼育水槽に収容しました。


 これでようやく仔魚飼育のスタートに立つことができました。ここまで来られただけでも初めての年としては上出来です。これから2か月ほど、未経験の問題が起こるかもしれませんが何とか上手に対処して、経験のある中間育成の入口まで持っていければと思っています。


★ 令和3年 1月15日  冬の作業

 飼育作業と放流が終わった冬の時期には、来年度に向けての設備メンテナンスや飼育器具の作製など、いろんな作業をしています。その一部を写真でご紹介しましょう。

 1年間お世話になった冷蔵庫・冷凍庫を掃除したり(寒い日が好都合です)。


 カサゴの選別器を作ったり(去年もしていたような…)。


 イケスの歩み板を交換したり。


 原水ポンプの付帯設備である自吸タンクの中に入って1年分の汚れを落としたり(原水ポンプは神戸市立栽培漁業センターで一番大きい海水ポンプです。1時間に210キロリットルの海水を汲み上げることができます)。
最後の写真は本日の獲物 ^^)


 そして、令和3年度の飼育作業の先駆けとして、シオミズツボワムシ(動物プランクトンです)の培養を始めたり。


 令和3年が、穏やかで実りある年になりますように!!


★ 令和2年 12月9日  マコガレイを放流しました

 3月に中間育成を始めるマコガレイの放流は、毎年、全長が40ミリメートルを超える5月ごろに行なっています。今年もその時に生産したほとんどを放流したのですが、夏の高水温の時期を無事に乗り越えて大きく飼育できるか確かめるため、越夏試験を行ないました。
 運よく?今年の夏を乗り切った稚魚を兵庫漁業協同組合に配付し、放流してもらいました。5月8日と12日の放流魚と見比べると、大きさの違いがよくわかります。その分、エサ代や電気代などの飼育経費は掛かっているのですけれど…




★ 令和2年 8月28日〜11月16日  マナマコを放流しました

 春に種苗生産を開始し長々と飼育を続けていたマナマコを、ようやく放流しました。
 各地にある栽培漁業センターで生産し放流する魚介類は魚類が多いのですが、エビやカニ、貝の仲間もよく飼育されています。それに次いで最近では、ナマコやウニといった棘皮(きょくひ)動物も生産されるようになってきました。

 神戸市立栽培漁業センターでも数年前から、新しい生産対象としてマナマコの試験生産を重ねてきました。今年は思っていた以上の数を生産することができたので、飼育尾数調整のために放流した8月の第1回から11月中旬まで、4回の放流を行ないました。そのようすをご覧ください。

 前もって飼育水槽の培養版(エサになる珪藻が付いています)からマナマコをはがし、数も数えたうえで、小さな水槽に入れておきます。放流日にはそこから取り出して、2重になった丈夫なポリ袋に少しずつ分けて収容します。なおこのポリ袋に入れておく海水には、あらかじめ酸素をしっかり充填しておきます。


 これをバケツごとトラックに積み、漁港へ向かいます。エアレーションの必要もなく気温も低い時期のため、夏のマダイなどと比べて運搬は気楽です。10月9日は雨模様でした。


 次の放流。作業の進め方は同じです。


 最後は11月16日でした。船に積み替える時もゆったり運べばいいので余裕。ただ魚類の放流と比べると、作業としての盛り上がりに欠けるのは仕方のないところです。絵にもなりにくいし…



★ 令和2年 9月29日  オニオコゼを放流しました

 6月5日から種苗生産を開始し、8月10日に中間育成に移行して飼育を続けていたオニオコゼが放流できる大きさに育ちました。神戸市漁業協同組合に配付し、漁師さんに船から放流してもらいました…と書いたところで、ここまでの飼育のようすをを全然アップロードしていないことに気づいたので、とりあえず種苗生産のようすを4枚どうぞ。

 6月26日(日齢20)  胸鰭(むなびれ)が本当に立派になってきました。いかにもオニオコゼ、という感じ。尾鰭(おびれ)も形成中です。横からの写真には、胸鰭を透かして腸管内のエサが見えています。


 7月上旬から着底魚の取り上げを始めました。それまで水中を泳いでいた仔魚(しぎょ)は、このころからあまり泳ぎ回らず水槽の底でじっとしているようになります。そうなると、底に降り積もった食べ残しのエサや糞に埋もれて病気になりやすくなるため、それらから離れるようネットを張ってその中で飼育するようにします。
 写真は着底した仔魚をサイホンで取り出す装置です。仔魚にできるだけ負担をかけないよう、ブロックで水位差を調整し、ほどよいスピードで吸い出せるようにしています。


 種苗生産終了後も飼育を続けて、稚魚(ちぎょ:中間育成に入ると呼び方が変わります)が大きくなってくると、その分ひとつのネットに収容できる尾数が少なくなるので、飼えなくなった分は尾数調整のために自主放流します。
小さい時から目立った胸鰭がオレンジ色の網目模様になって、さらに目立っています。空も海ももうすっかり夏ですね。


 そしていよいよタイトルにある本番の放流です。 今年は須磨海岸の沖と東側の2か所に放流しました。いずれも水深は6〜8mで、テトラポッドに近く底が砂泥になっているところでした。



★ 令和2年 9月4日  見学時の消毒のお願い

 2学期が始まり、神戸市立栽培漁業センターにも校外学習の生徒さんがいらっしゃるようになりました。見学自体は例年と同じように受け入れているのですが、1点だけ今年ならではのお願いがあります。

 展示室や飼育棟へはこれまで同様、何度も出入りしていただいてかまいません。それぞれの学校で決められたとおりの順路・方法で見学していただけます。ただし最初だけは、玄関(展示室入り口)に置いてあるアルコールで手を消毒してから入っていただきますよう、お願いいたします。




★ 令和2年 9月4日  クルマエビを放流しました

 25キロリットル水槽で中間育成していたクルマエビが大きく育ったので、2地区に配付し放流しました。飼育開始が1か月前だったので、飼育期間はちょうど夏休みにあたります。校外学習の見学者には見てもらえませんでしたが、展示水槽に少数を残してありますので、そちらをご覧ください。

 クルマエビは、明石海峡大橋の東と西の2地区に分けられて、いずれも海底が砂地になっている場所に放流しました。

取り上げと西垂水地区の放流  船からタモ網で放流しました


舞子地区の放流  突堤から砂浜に放流しました



★ 令和2年 7月28日〜9月1日  マダイを放流しました

 栽培漁業センターの水槽とマリンピア神戸・海洋牧場のイケスで中間育成しているマダイが放流サイズに育ったので、7回に分けて神戸市内の漁業協同組合に配付し、漁師さんの船で放流しました。

 7月8日・9日のマダイ搬入時の記事でも書いたように、マダイは酸素欠乏に非常に弱い魚種です。放流直前の運搬で弱らせることがないように、これまでの経験から安全と分かっている尾数をトラックに素早く積み込むと、氷で水温の上昇を抑えながら、酸素と空気を通気して漁港まで運びました。

 漁港での船への積み替えもみんなで手際よく進めます。マダイを飼育水槽やイケスから取り上げ始めてから、近くの漁港なら30分ほど、遠くても1時間くらいのうちに海に放流しています。

7月28日 須磨浦


7月31日 兵庫


8月4日 東須磨


8月7日 駒ヶ林


8月11日 西垂水・舞子


8月25日 塩屋


9月1日 東垂水



★ 令和2年 8月21日・28日  キジハタを搬入し、放流しました

 兵庫県栽培漁業センターの但馬事業場に中間育成済みのキジハタ稚魚を受け取りに行き、屋外水槽で1週間畜養したあと放流しました。

 キジハタは関西ではアコウと呼ばれている高級魚です。漁業者からの要望も高い魚なのですが、十分な数の受精卵が採りにくく仔魚は病気になりやすいなどの問題がある、飼育の難しい魚種でもあります。
 放流はもう何年も続けて実施しています。そのせいか、最近は漁獲量が増えてきているようです。




 この時にマナマコの放流も併せて行いました。これは神戸市立栽培漁業センターで今年の春に生産を始めたものです。そのうち成長の速かった個体を選別して、ポリ袋6つに分け持ってきました。
魚類の放流と比べるとなんだか盛り上がりに欠けますが、それは仕方がありませんね。




★ 令和2年 8月4日  クルマエビを搬入しました

 兵庫県栽培漁業センターの淡路事業場から配付を受け、クルマエビを搬入しました。

 活魚タンクに氷を浮かべて水温を調整しながら、明石海峡大橋を渡って1時間ほどかけて運びました。到着後、準備している飼育水槽の温度とさらに近づけたあと、バケツリレーで収容しました。まだクルマエビとは思えないような大きさですが、エサの配合飼料を足で抱えて口に近づけながら泳ぎ回る姿は、なかなかかわいらしいものです。




★ 令和2年 7月8日・9日  マダイを搬入しました

 兵庫県栽培漁業センターからマダイ稚魚の配付があったので、2日に分けて受け取りに行きました。 トラックの活魚タンクふたつにフィッシュポンプでマダイを積み込み、1日目は神戸市立栽培漁業センターの屋内飼育水槽へ、2日目はマリンピア神戸にある海洋牧場のイケスへ搬入しました。

 マダイは遊泳力にすぐれた魚種で、それだけに酸素をたくさん消費します。水温が高く魚にとっては厳しい時期でもあるため、マダイの飼育では水槽やイケス内の飼育環境を良好に保つのに気を使います。一方で、マダイはエサを活発に食べてどんどん大きくなるので、飼育していて楽しい魚種でもあります。

 これから8月末くらいまで中間育成し、全長が50〜100ミリメートルほどに育ったら放流します。




★ 令和2年 7月2日・3日  メバルを放流しました

 兵庫県栽培漁業センターから配付を受け中間育成飼育していたメバルを、2地区に放流しました。

 メバルは下の記事のカサゴと同じで、一般に根魚(ねざかな)と呼ばれる魚です。定着性が強く放流した場所から遠くに移動しないため、市立の栽培漁業センターで飼育・放流するのに向いている魚種です。それだけに、放流する場所は生息に適した所を厳選する必要があります。
 しかしそれは、放流を担当する漁師さんがよく知っていることでもあります。




★ 令和2年 7月2日  カサゴを放流しました

 3月初めに種苗生産を開始し、その後中間育成飼育に移っていたカサゴが放流サイズに育ったので、これを6月末に計数して網生簀に収容し、4日後に放流しました。




★ 今年4月〜6月の飼育状況

 今年度も例年のように、栽培漁業センターでの飼育作業のようすを日にちを追ってご紹介するつもりでいたのですが、新型コロナウイルスへの対応があり、情報発信が後回しになりました。

 そんな状況でも、稚魚の飼育作業自体はなんとか予定どおりに進んでいます。また2学期には、何校かの小学校が水産業の校外学習にいらっしゃる予定です。これまでにどんな魚種を放流したのか、また見学時に見られる稚魚がどのように成長してきたのかを、駆け足になりますが、タイトルと写真で見ていただきましょう。


4月15日  メバル搬入



4月20日〜25日  ヒラメの種苗生産終了・中間育成開始



4月24日  クロアワビ・サザエの放流



5月8日・12日  マコガレイの取り上げ・放流



5月23日・24日  カサゴの種苗生産終了・中間育成開始



5月19日〜6月23日  ヒラメの取り上げ・放流